毎月、生理が来るのが怖い。鎮痛剤を飲んでも効かない。冷や汗が出るほど痛くて、仕事や学校を休むしかない――。
それは決して「甘え」でも「我慢が足りない」でもありません。
生活に支障が出るレベルの生理痛は、医学的には「月経困難症」として治療の対象になります(保険診療になるケースも多いです)。
この記事では、病院に行くべき危険サイン、婦人科で実際に何をするのか(痛くない受診の工夫)、そして今夜を乗り切るセルフケアを、できるだけ不安を減らす形でまとめました。
「怖い」から動けないまま時間だけが過ぎるのが、一番つらい。大丈夫。今日ここで“次の一手”が決まります。

「生理痛って、周りに理解されにくいから余計つらいですよね。でもね、“生活が壊れる痛み”は治療していい痛み。あなたが弱いわけじゃありません。まずは落ち着いて、今できる一手を一緒に決めましょう。」
我慢しないで!「仕事・学校に行けない」は治療が必要なサイン

生理痛は「あるのが普通」ではあります。けれど、日常生活が壊れる痛みは“普通”の範囲を超えている可能性があります。
まずは、あなたの痛みが「受診していい痛み」どころか、受診したほうがいい痛みだと理解することから始めましょう。

「患者さんで多いのが、“痛いけど我慢できるから…”って長年放置してしまうケース。でも、我慢し続けるほど毎月が怖くなるんです。早めに“管理できる状態”を作るほうが、結果的にラクになりますよ。」
正常な生理と「月経困難症」の違い
目安として、こんなイメージです。
軽度〜中等度:鎮痛剤(市販薬や処方薬)でコントロールでき、工夫すれば動ける
▼治療が必要な可能性が高い▼
- 鎮痛剤を規定量飲んでも効かない
- 眠れない/立てない/吐き気や冷や汗で動けない
- 仕事・学校・家事が回らないほど寝込む
月経困難症は「痛みを我慢して慣れる」ものではなく、原因を探して、痛みの出方を“管理できる状態”にしていく疾患です。
ここを知るだけで、「私が弱いのかな」という罪悪感が少し軽くなるはずです。
【セルフチェック】こんな症状があったら即受診を
以下に当てはまるほど、婦人科で一度チェックする価値があります。
- 市販薬を規定量飲んでも痛い/効かない
- 年々、痛みが強くなっている(悪化している)
- 経血量が多い
- 夜用ナプキンが1時間で溢れる
- レバー状の塊が頻繁に出る
- 生理期間以外も、お腹・腰が痛い
- 排便痛(うんちのとき痛い)や性交痛がある
- 貧血っぽい(立ちくらみ、息切れ、動悸、顔色が悪い)
- 痛みで吐く、気を失いそうになる
- 「生理が近づく」だけで不安で、予定を全部キャンセルしたくなる
※緊急性が高い症状(激痛+冷や汗+嘔吐+意識が遠のく等)は、後のQ&Aにある通り救急要請や#7119相談も視野に入れてください。

「“市販薬を飲んでも効かない”は、かなり分かりやすい受診サインです。痛みを我慢する力が強い人ほど、気づいたら限界超えてることが多いんですよ。」
放置するとどうなる?将来のリスク
怖がらせたいわけではなく、「今のうちに動く理由」として知っておいてほしい話です。
強い生理痛の背景には、子宮内膜症などが隠れていることがあります。これらは放置すると、痛みが続くだけでなく、
- 痛みの慢性化(生理以外の時期も痛い)
- 貧血の進行
- 生活の質(QOL)の低下
- 将来的に妊娠を考えるときの不安材料になる
といった形で、じわじわ生活を削っていく可能性があります。
あなたの人生は、生理痛のためにあるわけじゃありません。

「逆に言うと、早めに治療方針が決まると“毎月の恐怖”が小さくなる人が多いです。人生を生理痛に支配させないでほしいんです。」
その激痛の正体は?考えられる3つの病気

「病名を当てるのが目的じゃなくて、“検査する意味”が分かると怖さが減るんです。知っておくだけでOK。」
20〜30代に急増中「子宮内膜症」
子宮内膜症の特徴
- 年々、生理痛が強くなる
- 生理以外の時期にも痛みが出ることがある
- 排便痛、性交痛が合併することがある
簡単に言うと「本来は子宮の内側にあるはずの内膜に似た組織が、別の場所で増えて炎症を起こす」状態です。

経血量の多さが特徴「子宮筋腫」
子宮にできる良性のコブ(筋肉のかたまり)です。
- 経血量が増える
- 貧血を伴いやすい
- 場所や大きさで痛みや圧迫感が出る
ことがあります。
子宮全体が腫れる「子宮腺筋症」
子宮の筋肉の層に内膜の組織が入り込むような状態で、
- 激しい生理痛
- 過多月経
- 子宮が大きくなる
などが語られることがあります(適切な評価は医師の診断が必要です)。
病気が見つからない「機能性月経困難症」とは
「検査で異常なし」と言われても、痛みは本物です。原因としては、
- 痛み物質(プロスタグランジン)が多く出やすい
- 子宮の収縮が強い
- 子宮口が狭く、圧が高くなって痛い
などが関係するとされています。

「“異常なし=我慢”じゃありません。治療でラクになる人、たくさんいます。痛みは治療対象です。」
婦人科に行くのが怖いあなたへ|初診の流れを完全シミュレーション

ここで“予習”して、当日の不安を減らします。

「一番おすすめは、“内診が怖い”って最初に言うこと。医療者側は、その一言があるだけで配慮しやすくなります。」
生理中でも受診していいの?
結論:OKです。出血の様子が分かる、検査のタイミングとして適する場合もあります。
ただし内診がどうしても抵抗あるなら、生理直後で予約しても大丈夫。
重要なのは、受診を無期限に先送りしないことです。
ステップ1:問診(何を聞かれる?)
- 最終月経日
- 周期
- 痛みの程度(10段階)
- 痛む場所
- 出血量(ナプキンの交換頻度)
- 市販薬の種類・量・効いたか
- 既往歴、服薬、アレルギー
- 妊娠の可能性(ゼロでないなら必ず)
【重要】この時点で言ってOK
- 内診が怖い
- 性経験がない/抵抗が強い
- 痛みが怖いので、できる配慮がほしい
ステップ2:内診・超音波検査(本当に痛い?)
検査は主に2つ。
- 経膣エコー:子宮や卵巣が見えやすい
- 経腹エコー:お腹の上から(侵襲が少ないが条件で見え方が変わる)
「どうしても嫌」と言えば、まず経腹でできないか、進め方を相談できます。
状況により直腸診やMRIなど別手段が検討されることもあります(必要性は医師判断)。

「“内診=絶対にやらされる”と思ってる人が多いけど、相談できます。黙って耐えるより、先に言ったほうが結果的にラクですよ。」
ステップ3:血液検査・診断
過多月経がある人は貧血チェックのために血液検査を提案されることがあります。
診断がついたら、治療は「今をラクにする」と「根本を整える」の両方から選べます。
婦人科で提案される主な治療法|薬の種類と選び方
目的は「痛みゼロ」より、まず
休まなくて済む/予定を組める/毎月の恐怖が減る状態を作ることです。

「生理痛って、“慣れる”じゃなくて“管理する”が正解です。毎月崩れる生活、終わらせましょう。」
まずは痛みを散らす「鎮痛剤・漢方薬」
医療機関では、処方薬の鎮痛剤が提案されることがあります。
漢方薬も、症状や体質によって提案される場合があります(例:当帰芍薬散、桂枝茯苓丸など)。
ここで大切なのは、痛み止めは「痛くなってから」より「予兆の段階」のほうが効きやすいことがある点。
次のセルフケアでも使えるコツです。
ホルモンをコントロールする「低用量ピル・LEP」
根本治療として代表的なのが、低用量ピル(OC)や治療目的のLEPです(適応は医師判断)。
仕組みを超ざっくり言うと、
- 排卵を抑える
- 子宮内膜が厚くなりにくくなる
- 痛み物質(プロスタグランジン)が増えにくくなる方向に働き、痛みの波を小さくしていくことが期待されます(個人差があります)。
また、避妊目的のピルと治療目的のLEPで扱いが異なる場合があり、保険適用になるケースもあります。

「“ピルは怖い”って気持ち、分かります。でも種類も選び方もいろいろ。自己判断で諦めるのが一番もったいないです。医師と相談して“合う形”を探しましょう。」
「ピルって太りそう」「副作用が怖い」という方へ。種類によって特徴が違います。
『ピルの基本ガイド|低用量ピルとアフターピルの違い・選び方&オンライン処方おすすめ4選』で、タイプ別に整理しています。
子宮内に装着する「ミレーナ(IUS)」
飲み忘れが心配な人、過多月経が強い人などで提案されることがある選択肢です(適応は医師判断)。
「毎日飲むのが不安」という人は、こういう選択肢があるだけでも安心材料になります。
今この痛みをなんとかしたい!薬局で買える「3種の神器」
温熱グッズや市販薬は「治す」ではなく、痛みを和らげて今を乗り切るサポートです。

「“今夜を乗り切る”って、すごく大事。痛みで消耗すると、受診する元気もなくなっちゃうから。まず体力を守りましょう。」
【比較表】生理痛を乗り切る「3種の神器」早見表(外出/自宅/どうしても無理な日)
| 品名 | めぐりズム 蒸気の温熱シート | あずきのチカラ おなか用 | イブA錠EX (指定第2類医薬品) |
|---|---|---|---|
| 画像 | ![]() | ![]() | ![]() |
| おすすめシーン | 外出・仕事中 バレずに温めたい | 自宅で休む じんわり癒やしたい | どうしても外せない日 痛みを抑えたい |
| 最大の強み | 約40℃の蒸気で じんわり温めやすい。 服に響きにくく使いやすい。 | 蒸気を含む“湿熱”で リラックスしやすい。 繰り返し使えてコスパ◎。 | 鎮痛成分イブプロフェンを 200mg配合(1回量)。 つらい痛みに対応する設計。 |
| 使い方のコツ | 痛みが強くなる前に お腹 or 腰へ“先貼り”がコツ。 冷えを感じたら早めに。 | 薬が効くまでの待ち時間に。 布団でお腹・腰を温めて 呼吸をゆっくり整える。 | 予兆の段階で用法用量を守って使用。 痛み物質が増えきる前の方が コントロールしやすいことも。 |
| 注意点 | 肌に異常を感じたら中止。 同じ場所に長時間は避け、 低温やけどに注意。 | 加熱時間は必ず守る。 熱いと感じたらタオル越しに。 就寝中の当てっぱなしは避ける。 | 添付文書の用法用量を守る。 持病・併用薬がある場合は 薬剤師/登録販売者に相談。 |
| ひとこと | 「外での“温め”は 人目と服装が最優先」 | 「まず体力を守ると メンタルも戻りやすい」 | 「効かない痛みは 受診サイン」 |
| 商品 | ⇒楽天市場 ⇒アマゾン | ⇒楽天市場 ⇒アマゾン | ⇒楽天市場 ⇒アマゾン |
【外出・仕事中】誰にもバレずに温熱ケア(めぐりズム)
カイロが合わない人でも、温熱シートは使いやすいことがあります。
「肌に直接」に貼れるタイプは、外から目立ちにくいのが現実的なメリットです。

「外出中は“バレないこと”が超大事ですよね。温めは、痛みが強くなる前に仕込むのがコツです。」

【自宅での休息】何度も使えてコスパ最強の癒やし(あずきのチカラ)
レンジで温める“湿熱”は、じんわり感が続きやすいのが魅力。
薬が効くまでの待ち時間に、身体の緊張をほどくサポートになります。

「布団にくるまって温める時間、罪悪感いりません。体力を守るのも“治療の一部”ですよ。」

【どうしても外せない時】つらい痛みに特化した市販薬(イブA錠EX)
イブA錠EXは、鎮痛成分イブプロフェンを200mg配合(1回量)し、つらい生理痛に対応するよう設計されている市販薬です(効能効果は添付文書の範囲内で確認してください)。
使い方のコツとしては、予兆段階で用法用量を守って使うこと。痛み物質が増えきる前のほうが、コントロールしやすいことがあります。
※使用上の注意をよく読み、用法・用量を守って使用してください。心配がある場合は薬剤師または登録販売者に相談のうえ使用してください。

「“効かないから追加で飲む”は危ない方向に行きがち。まず用量を守って、効かないなら“病気の進行サイン”として受診に切り替えましょう。」

よくある質問(Q&A)
- 生理痛で救急車を呼んでもいいですか?
- 動けないほどの激痛、冷や汗、嘔吐、意識が遠のく感じがある場合は、救急要請を検討してください。
生理痛に見えても、緊急性のある疾患が隠れる可能性がゼロではありません。迷う場合は#7119などの相談窓口も選択肢です。

「“生理だから我慢”で救急のタイミングを逃すのが一番怖いです。動けない痛みは、迷わず相談してOK。」
- 婦人科は未成年でも一人で行けますか?
- 多くの場合、受診は可能です。
ただし病院によっては同意の扱いが異なることがあるため、事前に電話確認すると安心です。
- 市販薬を飲み続けると効かなくなるって本当?
- 耐性はつきにくいとされますが、
「痛みが強くなって薬が効かなくなっている(背景の病気が進行している)」可能性には注意が必要です。
“効かない痛み”は受診サインです。

「薬が悪いんじゃなくて、体の状態が変わってきてるサインかもしれません。ここで病院に繋げるのが正解です。」
まとめ|生理痛は我慢するものではなく「管理」するもの
生理痛があるのは珍しいことではありません。
でも、仕事や学校に行けないほどの痛みは、我慢して慣れるものではなく、治療して“管理できる状態”にしていい痛みです。
婦人科は怖い場所ではなく、あなたの生活の質(QOL)を守るパートナー。
内診が怖い人ほど、最初に「怖い」と伝えてください。配慮してもらえる可能性が上がります。
そして、根本の管理として、医師判断で低用量ピル/LEPなどが提案されることがあります。
忙しくて通院が難しい人は、オンライン診療という選択肢もあります。
「“一番いい治療”より、“あなたが続けられる管理”が正解。まずは情報を知って、怖さを減らして、次の一歩を一緒に決めましょう。」
| 品名 | めぐりズム 蒸気の温熱シート | あずきのチカラ おなか用 | イブA錠EX (指定第2類医薬品) |
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| おすすめシーン | 外出・仕事中 バレずに温めたい | 自宅で休む じんわり癒やしたい | どうしても外せない日 痛みを抑えたい |
| 最大の強み | 約40℃の蒸気で じんわり温めやすい。 服に響きにくく使いやすい。 | 蒸気を含む“湿熱”で リラックスしやすい。 繰り返し使えてコスパ◎。 | 鎮痛成分イブプロフェンを 200mg配合(1回量)。 つらい痛みに対応する設計。 |
| 使い方のコツ | 痛みが強くなる前に お腹 or 腰へ“先貼り”がコツ。 冷えを感じたら早めに。 | 薬が効くまでの待ち時間に。 布団でお腹・腰を温めて 呼吸をゆっくり整える。 | 予兆の段階で用法用量を守って使用。 痛み物質が増えきる前の方が コントロールしやすいことも。 |
| 注意点 | 肌に異常を感じたら中止。 同じ場所に長時間は避け、 低温やけどに注意。 | 加熱時間は必ず守る。 熱いと感じたらタオル越しに。 就寝中の当てっぱなしは避ける。 | 添付文書の用法用量を守る。 持病・併用薬がある場合は 薬剤師/登録販売者に相談。 |
| ひとこと | 「外での“温め”は 人目と服装が最優先」 | 「まず体力を守ると メンタルも戻りやすい」 | 「効かない痛みは 受診サイン」 |
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総合病院に20年以上勤務する現役看護師。救急外来(ER)をはじめ、さまざまな診療科や年齢層の患者様と日々向き合ってきました。
現場では、急な体調不良だけでなく、性感染症や生理トラブル、ホルモンバランスの乱れなど、「家族や友人には相談しづらいデリケートな悩み」に触れる機会も多くあります。
「ひみつのからだ相談室」では、そうした臨床経験にもとづき、記事内容に医学的・看護的な観点から大きな誤りがないか、読者の不安を煽るような偏った情報になっていないかを確認する立場として監修および解説を行っています。
記事の執筆自体は編集部が担当し、監修看護師が内容を厳しくチェックすることで、ひとりで悩む皆様が正しい知識を得て、安心して読める情報提供を目指しています。

